臨済宗建長寺派 萬松山 崇禅寺
臨済宗建長寺派 萬松山 崇禅寺

     
 


 仏前結婚式
  美しい心と心の出会い
  それは決して偶然ではなく私たちの思いも及ばない遠い宿世よりきめられていた深い縁にあるものなのです。結婚の話がまとまることを、よく「縁談が整う」といいますが、これは仏教の「縁」というみ教えからきているのです。
  み仏に誓う仏前結婚式はこのような仏教的結婚観つまり――おふたりの出会いは数えきれぬ程の人間の数の中、いろいろな人や物との、関わり合いから結ばれています。これを仏教では「ご縁」があったと申します。理屈なしの不思議なつながりが「ご縁」です。
すこやかに成長したお二人の若い身心の中には、両親はもちろん遠いご先祖からの美しい心と温かい血を受けついでいることに改めて思いをいたし、輝かしい新生活に、希望と覚悟をもってみ仏の御前でかたく誓い合うところに、仏前結婚式の意味があるのです。仏前結婚式はこのように私たち日本人のもっとも自然な心情から生まれたまことに意義深い式でございます。今日を良き日と定め、お釈迦様と御本尊様に誓いを立てる。必ずやみ仏もおふたりの幸せを幾久しく見守られることでしょう。

 
 


 

 
     

 熱心な仏教信者の家庭では、菩提寺や有縁の寺で仏前結婚式を行うことがある。仏前結婚の意義は、「二人の結婚は生まれる以前から因縁づけられていた」という主旨で行われ、仏前で夫婦の誓いをして祖先に報告し、その因縁を仏に感謝することにある。仏前結婚式は、寺院で行われるほか、家庭の仏前や結婚式会場などを式場とすることもある。その場合は、司婚者として僧侶をよんで行う。

     
 


(1)入場、着席
  まず、本尊に向かって右側に、新郎、左側に新婦の両親・親族・来賓が入場して着席する。つづいて、新郎が媒酌人に付き添われて入場し、新婦は媒酌人夫人に付き添われて左側の扉から入場し、中央で両方が出会い正面の礼盤(本尊前にある壇)の前に進む。

(2)敬白文朗読
  新郎新婦が入場すると、戒師が入場して、礼壇に登り、ご本尊に向って結婚式が行われる旨を報告する敬白文を読みあげる。この間、新郎新婦は、頭を垂れて聞き、参列者一同は起立して聞く。敬白文とは、ご本尊に敬って申し上げる文で、「本日ここに、二人の男女がみ仏のお導きによって、夫婦の契りを結び、とこしえに調老の契りを誓う」ことになった旨を報告する。

(3)壽珠授与
  つづいて、新郎新婦は、媒酌人の案内で戒師の前に進み、向い合って着席する。戒師は、仏前に供えてある念珠(壽珠)を授けます。新郎新婦はこれを両手で受ける。

(4)司婚の辞、誓詞朗読
  壽珠の授与が終わると、戒師は、新郎新婦に誓いを求める。この誓いにより戒師は、参列者一同に婚儀の成立を認める旨のことばを朗読する。戒師の主が終わったら、これをうけて、新郎新婦が誓詞を朗読する。

(5)焼香
新郎、次に新婦の順番で壽珠を左手にかけて前に進み焼香します。

(6)誓盃
神前結婚式の三々九度と同じ要領で。杯を交わして三口で飲み干します。一番上の杯だけを使って新婦→新郎→新婦の順に3回おこないます。

(7)参列者一同祝杯
参列者の杯にも祝い酒が注がれます。戒師の合図にあわせて乾杯します。

(8) 戒師の法話
戒師より新郎新婦へお祝いの言葉があります。一同起立して合掌、礼拝し、これで結婚式は終了します。

(9)退堂
戒師、新郎新婦、参列者の順に退席します。


 
 

 
     
     



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